ある時 忘れられない夢を見ました。
とても美しい何とも言えない色をした空の下、ある丘の上で私は何人かと景色を眺めていました。
鈴の音のような音が響く先を見ると、大きな美しい鳥が2羽こちらに向かって円を描きながら飛んで来ました。
その鳥達が頭上を通る時、鈴の音が響き渡り、何とも言えない甘い香りに辺りが包まれて、金の粉がはらはらと落ちて来ました。
ケーンケーンという鳴き声と共に、虹色の翼を拡げて何度か旋回し、1羽が私の方を不思議な色をした瞳で見て笑いかけるように振り返りながら飛んでゆきました。
まるで時が止まったような静寂が戻り、胸に温かい光が拡がるように感じたまま目覚めました。
鳳凰だったんだ。
起きた瞬間そう感じました。
夢なのですが、感覚的に自分は鳳凰に出逢ったのだと感じました。
古来から、鳳凰は様々な文化の中でそのイメージが残されて来ました。中国の神話の中に出てくる伝説の鳥だと言われており、不思議な力を持つ霊鳥だそうです。麒麟(きりん)霊亀(れいき)応龍(おうりゅう)と共に四霊として尊ばれた想像上の瑞鳥です。
※瑞鳥とはめでたいことの起こる前兆とされる鳥
想像の中で描かれ続けて来たこの鳥は、その想像の元になるイメージが描いた方々の中にあったからではないかと思う事があります。もしかしたら、夢の中で出逢った忘れられない存在を、この現実世界に伝えようと絵筆を持った画家もいたのではないかと感じます。
私の見た存在が何であったのか、私の記憶の中にある様々なイメージが創り上げた想像の産物なのかもしれません。
その中で、自分の中の感覚として残っている色や光や匂いをこの現実の世界に連れて来たいと長年想っていました。
何度か描いてみようと紙を拡げてみましたが、描きかけてはその同じエネルギーを表すことは無理だといつも描きかけのまま進めることは出来ませんでした。
久しぶりに絵筆を握り色を塗り始めた時、そこに見えたのは光の渦の中にある翼。
描いてゆくうちに、鳳凰の形が浮かび上がって来ました。
描き切ることが出来るかわかりませんでしたが、少しずつ何週間かかけて小さな画面を塗り込んでゆきました。
私のスクリーンの残像をなぞるように描いたものですが、夢で出逢った鳳凰はこんな感じでした。
これから少しずつになるかもしれませんが、鳳凰の絵を描いてゆきたいと思っています。
夢で出逢った鳳凰達のあのエネルギーをそのまま連れて来るにはまだまだ力量が足りないかもしれませんが、この世界に必要なエネルギーを絵の中に刻んでゆけたらと思います。
このコーナーの英語をPhoenixとしています。いわゆる鳳凰とPhoenixとニュアンスが少し違うようですが、何度も火の中から甦ることから永遠の生命の象徴とされるPhoenixは私の中で鳳凰のエネルギーと重なるので、併記させて頂くことに致しました。
2022.9.11
永遠の翼
眩しい光のその中に
きっとあなたは見つけるでしょう
またたきの一瞬にあるその世界の入口を
すべてを手放しそのゲートを抜ける時
きっとあなたは気付くでしょう
永遠の翼がそこにあることを